手指鍼を学ぶ意味 その1

激動の時代なので、どのような大きな会社でも、将来が約束されているわけではありません。

少し前なら投資会社リーマンが潰れ、世界的な不況が襲い掛かりました。

日本なら思い起こせば山一證券、雪印乳業等々、枚挙にいとまがありません。

ガバナンスなどの諸所の原因は違えど、時代に即応しないと時代遅れで取り残されてしまいます。

ソニー、シャープ我が世の春を謳っていた企業が、経営の危機を迎えるなんて10年前は思ってもみませんでした。

友人と話す時の話題にそれが載ることが多々あります。

巷の商店や小企業でさえ、業態は少しづつ変化させるところが生き残ってきたというわけです。

百年続いた親子丼の玉ひで、千年続いた寺社建設の金剛建設、その他京都には様々な永続企業があります。

しかしそのほとんどは継続した技術をもとにして、時代に沿った需要をとらえて発展してきた企業たちです。

学校で習った企業の「ゴーイング・コンサーン」はあくまでも前提としてあることで、ぼさっとしていたら潰れてしまうのが今の社会です。

経済学の教授の言葉が沁みますよ。

「この世の中は正直者がバカを見る社会ではありません。うっかり者が損をする社会なのです」

世界最先端の技術を誇った液晶もすぐまねされ、大量生産で価格破壊を起こされたように、最先端はすぐ陳腐化してしまうのです。

我々医療の世界はどの様な状態なのか。

西洋医学はまだ人間のすべての解明は出来ていません。

これから医学生理学が急速に発展し続けても、この摩訶不思議で精密緻密に作られた、まさに神の手による創造物の人間は、これから何百年も解明できないかもしれません。

鍼はその意味で人間の解明はしなくても、すでにある存在を外から見ながら、その不調を調整していくという素晴らしい治療哲学を持っているのです。

しかし黄帝内経素問霊枢経18巻が書かれた時から、果たしてそれが進化を見せているかと言うとはなはだ疑問が湧くのです。

最大の欠陥であり問題点は、脳を解明しきれなかったところにあリます。

現代医学では測定機器の進化もあり、脳が体の中でどのような組織であるのかを解明してきました。

だからと言って治療が出来ているとは言えません。

東洋医学では君主として心臓が臓器のトップにすえられています。

医学者がこのような判断をするのなら、おそらく脳を君主の座にすえるのではないでしょうか。

鍼灸の治療の中ではこの脳の調整ができませんでした。

しかし近年現れたフランス人医師ポール・ノジェ博士の「耳鍼」や、我が日本の山元敏勝医師の発明された「山元式新頭針療法 YNSA」中国人鍼師の「朱氏頭皮鍼」などは、差はあれ脳を意識した治療になっています。

伝統的鍼はここが記述されていないので治療は難しいものになります。

解剖を行ったのだがそれが素人であったので、神経を見落としてしまったこともあります。

そもそも古代中国には外科がなかったので、解剖も素人が行ったと推測するのです。

つまりそこに脳の働きをつぶさに思索ことができなかったのでしょう。

西洋医学がたった百年前になって肺の働きが分かったことが、中国では二千年前に理解していた事実から見れば、彼らが脳の真の働きを見落とすはずはなく、それはひとえに解剖学の未発達からくるものだったのです。

とはいえ鍼灸を行うものにとってこのところを補っていかなければ、未来に続く医療の一端を担えないのではないかと考えるのです。

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