入江式フィンガーテスト お年玉第2弾?

私が金成万先生に高麗手指鍼講座を受け始めたとき、最初に衝撃だったのは体を左右に分けて診断するということでした。

「えっ?なにそれ!どうすればそれができるの?」

困ったなあ?ということでした。

掌の中に全身があるといっても、治療に関しては右手は右半身を、左手は左半身を治療に使います。

脳に関しても同じことなのです。

左右を分けて診断する方法が、その時の私の知識にはありませんでした。

韓国では人迎気口診を使っていますが、日本では六部定位脈診がほとんどです。

「さあ困った」

その時に少し先に高麗手指鍼を習われていた先輩の、宮本先生が「入江式フィンガーテスト」を手指鍼に応用する講義をしてくれました。

このことで先が少し明るくなったのでした。

しかし問題がありました。

宮本先生の理論では「問題の出た経はすべて治療対象になる」ということでした。

すると左右それぞれ12経絡、計24経絡を診断しなければなりません。

「さあこれも困った問題でした」

その後「入江式FTの研究会」に参加させていただき、結局2回しか参加しませんでしたが、ここでも問題がおきました。

私のグループで実技に入るとグループ長が、証を立て例えば腎虚ですねと診断しました。

腎臓の経絡に異常がありますと診断します。

そこにたまたまこの会では古参の方が参加していて、いやこれは肝臓のほうが異常で肝実だよと言い始めました。

すると初心者はなかなか難しい状況に置かれてしまうのでした。

脈診でも昔から様々なことが言われてきたでしょう。

感覚の問題なので、経験や時には流派によって観るところが異なったりするもので、仕方がない面もあるのですね。

でもそれぞれの診断によって治せればよいのです。

結論はそこにあるのですが、そうは言っても初心者には先に進めない、困った問題でもあります。

さらに高麗手指鍼では経絡を気脈と呼んでいますが、これにはいささか注意が必要で、そこに問題も含んでいます。

霊枢経 営衛生会編 第十八 に気は昼に陽を二十五回巡り、夜に陰を二十五回巡るとしています。

私の先生金正万師と、先生がなくなられる前に二人で話したことがありました。

それまで二人だけで話したことがなく、お互いのことは全くわかりませんでした。

講義終了から2,3年経過したころだったでしょうか。

先生は韓国に帰国されたときにひどい交通事故にあわれて、原因もわからないひどく体が不自由でした。

先生はお見舞いに来てくれた日本人が私だけだったのか、とても感謝していました。

でも先生は私を試すように質問をされました。投げかけたといった感じでした。

「このことについてどう考えるんだ!」といった感じでした。

私を試す試験問題だったかもしれません。

そこで今までいろいろ考え試して得た結論を話ました。

それはこのように考えたのですが。

すると先生は我が意を得たりといった感じで「そうなんだよ、時々気が消えるんだ」

その時は「エーッ!」という感じでした。

フィンガーテストで異常が出た経絡を全部治療することは、3経以上の調整をしないという基本に外れてしまいます。

そこで私は以前から最初から多くても3経絡に絞る方法を考え出していました。

ところが時々気が消えてしまって、戸惑うことが多々あったのです。

古典のことを考えると、昼に診断できるのは陽経しかありません。

気脈を全部診断すると異常は感じますが、体が治療を欲している異常経はどこか限定できません。

でも私の診断方法だと、まったく異常じゃないときもありました。

そこでさらに工夫を加えて今に至っているのですが、これがディメンション治療へと続くことになるとは。

ディメンションⅠで出る異常気脈反応、ディメンションⅡで出る異常気脈反応、そしてⅢと続くのです。

つまり日に50回巡る気の流れを取らまえるには、その一瞬でということは至難の業になります。

六部定位脈診だと血液の流れを見て診断するので、このようなことは避けられます。

しかし脈診も脈の変化を見ることよりも、達人になると気を診ているんだという人もいます。

オーリングテストもしかりです。

だから古の人は悩んで、いつ診断して鍼治療をするか、その時間を腐心したのかもしれません。

さあて、これを読まれてどのように感じられたでしょうか?

難しい、または面白い、それぞれの感想をお持ちのことでしょう。

入江式FTは気の流れを直接診ることができる素晴らしい技術です。

しかし感覚ですから手首が痛くなるほど振って、感覚を磨くこともいいでしょう。

脈診ができるようでしたら、ダブルチェックして精度を高めていくのもよいでしょう。

でもその先に上で述べたようなことが起きているのも確かです。

それをひょいと乗り越えると、またその先には面白い世界が広がっている、そんな世界が鍼灸世界だと私は考えています。

お年玉になったでしょうか?

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