弟子入りについて その3

ある宗教団体のセミナーに参加しました。

教祖様が未来を見通せるというので、参加したらその能力を分けてもらえるかもしれない、そんな思いで参加した次第です。

浅はかでしょう!ハハハ。

でもそこが私が今までたどった道で、その前はヘミシンクを習得すれば、患者の過去や前世に戻って病気治療の道を探れると、幽体離脱に励んだこともあったのです。

セミナーは経営者も参加するもので、それはそれでこういう問題解決法もあるのだと納得しました。

結構いいものでしたが、一応商学部卒の私としては、経営的なアドバイスとしてはレベルの低いもの、こう判断して結局2回のみの参加でした。

2回目の参加の時、小グループに分かれました。

その席で整体師がこのような話を雑談でしました。

「私も何年か工夫しながら独自の技術を磨き完成に近づいてきた。そろそろこれを後世に伝えようと思っている。ところが若い者が電話をかけてくると、勤めたいというものばかりである。給料を払った上に技術を教えてやる、そんな馬鹿なことはしたくない。」

生々しく宗教的でない発言には共感できますが、現実はそのようなものです。

就職しても忙しくて技術の習得はできないのがほとんどでしょう。

良く弁理士会計士弁護士などは就職してお金を稼ぎながら勉強をしても、結局忙しくて勉強に専念できず、最期は何とか崩れになってしまいます。

要は従業員ではなく弟子入りと言うことをしなければ、せっかくの師の業すべてをもらえないのです。

考えてみればすぐわかります。

給料を出してすべての業を教えてやって、やっと一人前にして今度は自分のために働いてもらおうとしたら辞めていってしまうのでは、使う方はたまったものではありません。

だから従業員にはすべてを教えないのです。

教育システムあり指導は行いますなどとあっても、上記のようなことがあるのでそこでは必要最低限のところまでです。

その上を目指すには自ら道を切り開かねばならない、その関門がいつの時代でも大きく横たわっているのです。

かの整体師の言った言葉は当然の感情で、昔からの習いを言葉で言ったというわけです。

では昔から先輩方はどの様にして鍼灸師の道を歩まれたのでしょうか?

国家試験になる前はほとんどが3つの資格を取り、あんまマッサージは2年半で資格取得できたので、そこで就職し仕事をしながら半年後に残りの鍼と灸の資格を取得しました。

マッサージなら歳が行っても就職先やアルバイト先は見つかります。

マッサージで生活の糧を稼ぎ、良い師を見つけて弟子入りをして、そして10年ほどを目指して開業にこぎつけるのが一般的だったようです。

私は学校の先生の教えを肝に銘じ、学生時代からいろいろなことをしました。

その中の言葉に「年齢が高くても学生は学生、何を聞いても答えてくれる。資格を取ったら同業者でライバルだから、教えてもらうことはできないよ」と言う言葉が身に染みました。

そこで学生のうちにできる限りセミナーに参加し、機会を見つけて動きました。

その一つが独自の按摩講習会でした。

伝手をたどってあんまを10年開業し、これからは鍼を仕事にしようという先生を招き、春休み夏休みの計4日ほど講習会を開催しました。

技術云々はそれほど進歩しなかったのですが、実戦経験のいろいろな言葉は折に触れ貴重なアドバイスになりました。

「卒業して仲間同士月に1回ほど勉強会を開いた。最初の3か月は学生時代のような内容だったが、半年経過した頃から開業しているものと日曜マッサージ師との、話す内容が全くかみ合わなくなってきた。」

「日曜マッサージ師は相も変わらずあのツボの効果はどうだとか言っているのだが、卒業即開業したものはお腹のこの張を取るには、この経をこのあたりからもみほぐす方が効いた。」とうように変わって言ったそうです。

実践に勝る経験はなしなのです。

40分の治療時間内、なにがしかの目に見える効果をださねば、依頼は無いのですからそこは生きる死ぬの戦場です。

そこでやはり同レベルの者の集まりでは、自分を引き上げることはできないと改めて感じたのでした。

学園紛争華やかりしころロックアウトになった時、ゼミの何人かで自主学習をすることになりました。

しかし指導者がいないため、分からない分からないで結局自然消滅になった経験とまさに重なりました。

そこで卒業後の進路は就職するのでなく、改めて弟子入り等を模索することになりました。

2年の後半年の瀬に、山下詢先生のセミナーに参加させていただきました。

先生はそれまで難解であった脈診を、分かりやすく解明され分析された方でした。

学校の文化祭に岡部素明さんが来られて、我々の仲間で唯一脈診が分かる人が、云々と言われた時私はピンと来ました。

ピンと来ましたがそ知らぬふりして「その方は誰ですか?」と質問しましたが「それは教えらええないよ」と答えられてしまいました。

その先生は母校の先輩でもあり、またセミナーでお世話になったこともあり、同級生何名かを集めて脈診講座を、これも3日ほど春休みに主催しました。

先生も「昔の寺子屋みたいでいいね」と喜ばれていました。

学生と教師の関係では、様々な知識が教えてもらえるのです。

私は40歳で入学したので、それなりの社会経験もあったので、ある程度情報収集や目標の立て方など、同級生よりは明確に意識づけ出来ていたかもしれません。

この大切な学生時期に多くの鍼の世界、鍼の業界の歴史や実態をみて、どのような道に進めばよいのか必死に模索していました。

自分に合った目標とするレベルの鍼はどこにあるのか、それを最短で手に入れるにはどのような道を進めばよいのか、それを手繰り寄せるにはどのようなきっかけを大事にすれば良いのか。

それらを考えながら学生時代を過ごしたように思います。

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